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こんにちは。阪神ネジ広報部です。
今回のブログのテーマは緩み止め加工の世界的ブランドナイロックの紹介です
阪神ネジはナイロックの日本国内における中心的な供給拠点の1つであり
長年に渡り鉄道、建設、機械、重工業と様々な分野へ提供させていだたいております。
本ブログでは、ナイロックの仕組みなど複雑な技術説明を
皆様にわかりやすくQ&A形式にて説明させていただきます。
ナイロックってどんな商品ですか?
NYLOK®【ナイロックはアメリカナイロックの登録商標です】
1960年代アメリカにて開発された特殊ナイロンをネジ部に永久付着させる技術です。
もともとナイロックが生まれた背景には1960年代頃アメリカの航空宇宙分野などの
「過酷な振動環境下での安全性」への切実な要求のもと開発された商品です。
万が一ネジが緩んでしまったら致命的な大事故につながる現場で鍛え上げられてきた技術です。
その信頼性が認められNASAの人工衛星や航空機、新幹線、自動車部品など
絶対に緩んではいけない過酷な環境で多く採用されている世界水準の緩み止め商品です。
現在ご使用中のネジに、ナイロック加工を施すことができるため、設計変更が不要で
強力な戻り止め対策がおこなえる商品です。
ナイロック®の特徴を教えてください
ナイロックの最大の特徴は繰り返し使用することができることです。
なぜ繰り返し使えるのでしょうか?
それは特殊ナイロンがもつ【弾性(もとに戻ろうとする力)】が大きく関係しています。
ネジの締め付け時に相手側のネジ山によって特殊ナイロンはギュギュっと圧縮されます。
圧縮されたナイロンは元に戻ろうと強く反発しておねじ、めねじのネジ山を押しあい、そこに生まれる【摩擦力】がブレーキとなり振動があってもネジは緩まなくなります。
※この原理は特殊ナイロンがついていないネジも同じ原理でネジは締まっています。
なぜねじは締まるのか?阪神ネジ株式会社
https://www.hanshin-neji.com/content/5222/screw-tightening
またネジのメンテナンスなどでネジを抜いた時にナイロンの特性上、ナイロンは完全につぶれてはおらずある程度までは元に戻るため再び摩擦力を生み出すことができるため
繰り返し使用可能となります。
※ナイロックのナイロンは金属に直接熱融着されているため締めたり、緩めたりしても
素材がボロボロにならずネジ山に定着し続けます。
何回使用できますか?
さて繰り返し使えるといっても一体何回くらいまで使うことができるのでしょうか?
50回の繰り返しテストに合格しています(図参照)

一般的には3回から5回ほどの使用が推奨されています。
戻しトルクは1度目より徐々に下がっていきますが(ナイロンの性質上なじんでしまうため)
ISO規格による最低もどしトルク値より高い水準を保っていますので
繰り返しお使いいただく事が可能です。
5年後や10年後に取り外した場合も繰り返し使う事はできますか?
『物理的には可能ですが新品時のような信頼性は期待できない』というのが現実的な判断となります。
それはなぜか?
クリープ現象というものが起こります。
クリープ現象とは5年~10年もの長い間締め付けられた状態が続くと
ナイロンがネジ山の形に永久変形してしまい
元に戻ろうとする力が弱まってしまう現象です。
また周囲の環境によって(熱、油、紫外線など)によってはナイロンが硬くなり
再利用に十分な締め付けトルクが発生しなくなる可能性があります。
再利用の判断基準として、指先だけでスルスル回ってしまったり目視でナイロンが
はがれていたりひび割れがないかを必ず確認してください。
ナイロックはなぜ半周加工なのですか?
ナイロックのナイロンは、見ていただくとわかるように半周加工となっています。
なぜ半周加工なのでしょう?
ネジを締めこんでいくと、片側のナイロンが壁となり、ボルトを反対側へ強く押し付けることで強力な
弾性反発力がうまれ、おねじ,めねじの摩擦力が劇的にあがります。
この振動による回転を物理的にブロックする仕組みでナイロックは
半周加工で十分な緩み止めの効果を発揮することができます。
また『金属x金属』の摩擦を利用するためナイロン自体のへたりの影響を受けにくく
非常に強力で安定した緩み止め効果が期待できます。
全周加工のナイロックもありますか?
はい。ございます。
ですが全周加工、半周加工とでは緩み止めの原理も変わってきます。
全周加工はナイロン全体の【弾性抵抗】で緩み止めの機能を発揮します。
※弾性抵抗と弾性反発の違い
ネジを締め込んだときに挟まれた板(被締結体)が潰されまいと押し返して
くる力を【弾性抵抗】といい逆にネジが緩もうとしたり外部からの衝撃を受けた時などに
元の締まった状態を維持しようとする(あるいは跳ね返す)性質の事を【弾性反発】と言います。
※全周加工をしてあるのでシール機能や緩み止めとして使用できますが
やはりコストがあがってしまうためシール機能、緩み止め機能の
ご相談は弊社営業マンにご相談ください。
より良いご提案をさせていただきます!
温度が高くなる場所で使用した場合ナイロンが溶けたり
有害物質が発生することはありますか?
ナイロックの特殊ナイロンは耐熱温度170℃から耐寒温度-60℃まで
ご使用いただく事が可能です。
ナイロックの融点は250℃となっています。
またナイロックは製造過程にて有害物質を使用していないので環境にも作業者にも、
安全な仕様になっているため有害物質は発生しません。
またガソリンや油、グリス、溶材にも負けません。
長年の実績で耐候性や耐環境性を証明しています。
ナイロックが接着タイプの商品と違うところはどこですか?

ナイロックと接着タイプの違いはナイロックが物理的な力で止めること。
接着タイプは化学反応で固めるというところが決定的な違いです。
用途に合わせてお選びください。
ナイロックを導入する際のメリットはどんなところですか?
① 今まで戻り止めを使用していない場合
現在お使いになられているネジに、ナイロック加工をする事が出来るので
設計変更が不要でネジのサイズや、形状、材質を変更せず緩み止め効果を
付加することが可能です。
②接着タイプから切り替えをご検討の場合
締結した瞬間から戻り止めを発揮するため固着時間が不要になります。
棚寿命や保管期限がないため使用期限の管理が不要です。
仮に緩んでしまった場合でもその時点でトルクが発生するので
脱落防止効果が高い(ネジ山同士を押し付ける力が働くため締め付けトルクが0に
なっても回転抵抗が消えないので脱落しにくい)ため作業効率、管理、信頼性が高くなっています。
③ ネジロック塗布剤、ワッシャー類、溶接からの切り替えをご検討の場合
組み立て作業工数(塗布作業)の削減ができ、同一クオリティにて作業を行える(塗布量のばらつきを防げたり)
組み付忘れ(塗布忘れ)などのヒューマンエラーを防止することができます。
取り外しが可能なのでメンテナンスや調整作業を行う事が可能なので
同一箇所へ再使用することもでき作業効率、コストパフォーマンスの向上を見込めます。
④ 点検、保全の手間削減
緩みにくいため点検の頻度を下げることが可能です。
緩んだ場合でも即脱落しにくいので安全対策として有効です。
ナイロックは特許を取っている戻り止めネジです。
今お使いの、緩み止めを全てナイロックに変える必要はもちろんありませんが
戻り止めネジは脱落、紛失を防ぐことが最優先事項なので
緩むことは許容するが外れない、落下させにくくさせるための締結部品です。
ナイロックの主な使用箇所は、振動が激しい可動部(人工衛星や新幹線)高所、重要保安部品などです。
(もちろん私たちの身近な場所にもたくさん採用されています)
ナイロック(NYLOK®) l 阪神ネジ株式会社
https://www.hanshin-neji.com/nylok
ここからは阪神ネジの紹介をさせてください!
ナイロック加工は工場で塗布をしてからお客様に供給させていただきます。
1回の加工に一式の加工賃がかかりますので1本や数本では単価が高くかかってしまう
場合があります。
ですが!阪神ネジでは多くのお客様が汎用的にお使いいただけるような
規格を作っており在庫販売をしております!
ラインナップはCAPボルト、皿CAP、六角穴付き止ネジ、六角ボルト
ステンレス小ネジ(ナベ、皿、トラス)ナット等を中心に在庫をしています
1本から供給させていただきますのでご興味ある方、ネジの緩みでお困りの方
是非お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ/阪神ネジ
https://www.hanshin-neji.com/contactus
✉上記からもお問い合わせいただけます!✉
※鉄道車両用、原子力発電所向けなど重要保安箇所でのご使用をご検討される
場合は必ずその旨をお伝えください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
お客様のお困りごとを全力で解決したい集団!阪神ネジでした!