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皆さん、お元気様です!阪神ネジの山里です。コラムを書くのは大変ひさびさになってしまいました!すいません!(誰も待ってない 笑)早速ですが、ひさびさの今回のコラムは、私の中でめちゃくちゃホットに思っている「VMI」について書いてみたいと思います。少し長文ですが、皆さまのモノづくりのご参考にと思い一生懸命に書きましたのでご一読いただけたら幸いです。
そもそもVMIとはなんぞや?ということですが、Vender Managed Inventory の略でつまりは、ベンダーいわゆる私たちのような業者が、お客様の工場や倉庫にある在庫の管理をしますというサービスです。例えばですが、工場や倉庫には工具や資材、ねじなどの在庫品があると思います。
モノづくりをしていると、それらが少しずつなくなってきます、普通は担当の方がたまにチェックして無くなってきたら仕入れ業者に見積依頼をしたり、発注依頼をしたりして納品してもらいます。VMIは、そのあたりの管理を業者がやるというものです。ユーザー様は使用するときに様々な方法でその数を入力し、システムが現在庫数を常に把握するようにして発注点を切ったら業者に補充指示を出すというような感じです。
こうすることでユーザー様は基本的に何もしなくても在庫が補充されモノづくりに集中できるというものです。
このVMIがアメリカやヨーロッパではどうも流行っているように肌で感じています。先日もアメリカにあるお客様の工場に行くと何個も自動販売機が置いてあるエリアがあり、中にはヘルメットや軍手、また切削工具、グラインダーの砥石など様々なものが入っています。それらを使いたい時に社員証でピッとやると買えるのです。ジュースなどの自動販売機と同じで、買うまでは支払いの必要がなく、使った分だけ支払うという日本古来の富山の薬売りに似た商売形態です。ねじはプラ箱棚に入っていましたが、ねじもこの方式でやりたいと言っておられました。
山里はこの仕組みはお客様にとっても、ベンダーにとっても良いもので、これはめちゃくちゃアツい!と思っています。なので勝手に流行っていると思っていますが、その理由・背景を書いてみたいと思います。
ロスの郊外にあるハンバーガー屋さん。
セットだとだいたい13ドル(約2000円)
5人家族だと1万円。笑うしかない!
まず、欧米はとにかく人件費が高いので手間暇がかかることが超絶嫌!だということです。先日、娘の友達でアメリカ留学している女の子が現地でアルバイトしているというので時間給を聞いたら20ドル(約3,000円)と言ってました。正社員だともっと高いと考えると、あっち向いてこっち向いたら数百円掛かる感じなので在庫見に行って、業者に見積依頼して、安い業者はどこかな~みたいにやって、発注書作って、たまにコーヒー飲んで、メール添付して送る・・・、この作業なんぼすんねん!?って経営者は考えると思います。だから、自分達で管理せずに業者が管理してくれるとちょっとくらい商品単価が上がってもその方がいいんだと思います。
次の理由は、人が入ってこない、人が入れ替わることが多いということだと思います。インターネットで今の就職人気ランキングを見てみると、(調査会社によってバラつきがありますが)日本では総合商社、ITシステム、金融などが圧倒的に上位を占め、モノづくり企業はあのトヨタですら10位以内に入っていません。
(転職活動の人気はトヨタが一位という記事もありましたが)欧米の事情は分かりませんが、同じようなものではないかと思います。そうなると、人材不足だと思いますし、北米はとにかく離職率が高いです。それが日本以外の国ではある程度普通なのかと思いますが、人が定着しないということは業務を覚えてもらうことがなかなか出来ないということだと思います。そうなるとイチイチ人が変わるたびに、「こうやって、ああやって」ということになるので、業者にやってもらえたらそんな問題もないので、良いのだと思います。
他にも業者と在庫情報を共有した方が、欠品がなくなるとか、在庫負担が無くなるとか色んな理由があって流行っているのだと思います。
当社も自動販売機や高価な機械でサービスすることは今のところやっていませんが、日本・タイにて少しずつお客様に提案していることがあります。簡単なシステムを無償でお客様に提供して、スマホやPCで簡単に在庫管理したり、ご発注してもらったりできるようなものです。今年に入って実験的に使っていただいているのですが、これがかなり好評です。
機能は非常にシンプルで、①在庫管理が出来る機能 ②発注が簡単になる機能の2つです
QRコードを各商品のねじの入ったボックスや棚に貼らせていただき、それを使用するときに読み取って使用数を入力してもらうと今在庫が何本あるのかがシステムを使っている皆が分かるようにするというものです。またそのQRを読み取って発注することも出来ます。
もちろん、お客様ごとに発注プロセスのルールがあるので発注するのではなく、見積回答を自動でお客様にお送りしてそれを使って発注するなどお客様ごとのルールに合わせています。
当社のシステムは、何を隠そう阪神ネジが自分達で作っているものですから複雑なことは出来ませんが、これを導入していただくことでお客様の手間暇がかなり減り、また納期短縮つまり在庫圧縮にもつながっています。また、ある種の考え方の革命が少しずつ起きているような気がします。在庫を見に行って、無くなってきた商品をメモして、机に座ってパソコンで業者にメールして・・・と当たり前にやっていたので、無駄と思っていなかった作業も要らなくなると、これもあれも改善できるのではと連鎖するようになると思います。
当社の考えとしては、モノづくりしているお客様にとって一番大事なのはモノづくりに集中することだと思います。「ねじをちゃんと買う」なんてことに時間を掛けてほしくありません。ねじは何もせんでも勝手に入ってくる、その方が良いと思います。まだまだ出来ていませんが、少しずつITの力もつけていきお客様のモノづくりに貢献出来たらと思っています。
もしこのVMIにご興味がございましたら、お気軽にご連絡くださいませ。
長文、ご一読いただきまして誠にありがとうございました!