ねじ山日記 ~阪神ネジ レジェンド技術伝承プロジェクト~
スタッフブログ
  1. HOME
  2. スタッフブログ
  3. ねじ山日記 ~阪神ネジ レジェンド技術伝承プロジェクト~

ねじ山日記 ~阪神ネジ レジェンド技術伝承プロジェクト~

皆さん、こんにちは!阪神ネジの山里です。今日は最近、四六時中考えております「レジェンド技術の継承」について書きたいと思います。

世界の技術が今、失われていっている!

昨年より日本でも仕事するようになり、よく目にする手紙やファックスがあります。それは「廃業のお知らせ」です。高齢化と後継者がいないというのが理由です。機械工具商社さんなどのお客様も多いのですが、ガラガラと引き戸を開けたら機械を2,3台置いてねじを作ってくれていた加工屋さんが本当に多いです。

 

「ねじ」と呼ばれる部品・商品は無数にあり、その作り方もそれぞれの形状や仕様、必要となる数量、納期などによって変わります。NC旋盤などコンピュータプログラミングを使い大量に作り、カメラで全数検査する自動車部品のようなアイテムがあるかと思えば、10本や100本を汎用旋盤やボール盤を使って短納期で作るようなアイテムもあります。ねじは、頭を作る、ねじを作る、ピン穴、六角穴などの穴をあけるなど工程が意外と多いので、ひとつの機械ではできないことが多いのです。そこで日本では、旋盤屋さんが形を作ったら、ねじだけを切るシナイ盤屋さん、転造屋さん、穴だけあける穴あけ屋さん、曲げだけをする曲げ屋さん、六角穴とか穴だけあける矢打ち屋さんなどに持って行ってそれぞれの加工をしてもらうのです。そうやって専門の加工屋さんにやってもらうことで、少量でも単価が安く、品質の良いねじが出来上がっているのです。1本だけやってもらって100円とか、1000本作ったら単価10円などNC旋盤などでは考えられない金額で作っています。

 

ただ、ここ数年特にコロナ禍になってから「もうしんどいからやめるわ」といって廃業していくところが急激に増えてきたのです。80歳を超えてひとりで仕事していらっしゃるところも多く高齢化が進んでおり、また油で手が汚れ、大けがすることもあるので若い人がやりたがらず後継者がいないところが殆どなのも現実です。ユーチューバーがなりたい職業の上位に上がってくるこの時代に、旋盤屋さんになりたい、転造屋さんになりたいという若者が全然いなくなってきているのも当然の流れなのかとも思います。

日本の技術伝承は世界のモノづくりの為になる!

私は、長年このおっちゃん達の技術を何とか次代に少しでも長い間残していくことが世界のモノづくりの為になると強烈に思っています。日本とタイのモノづくりしか見ていないので何とも言えませんが、一つのねじを安く、早く、少量でも素晴らしい品質で作る国は日本だけだと思います。たとえば、日本には転造ねじ加工だけを生業とする転造屋さんというところがあります。だから5本の仕事でも転造加工でねじを作れるんです。転造ではなく切削ねじしかなければ、めっきしたらねじが入らなくなったとか、強度が落ちて折れたとかいろんな問題が出てきます。また大きな機械で少量の仕事をすれば絶対に価格はめちゃくちゃ上がります。また何より生涯をかけて作り上げてきたおっちゃん達の技術が、そこで途絶えてしまうというのは本当にもったいないと感じるのです。

 

阪神ネジは今までずっと商社でやってきましたし、創業者の祖父からは「絶対にメーカーになるな」と生前何度も言われました。それは昔、「阪神製作所」という名前でメーカーになって大きな失敗をしたことがあるからです。またこの日本の技術が失われていく大きな流れを止めることは私たちだけでは出来ないと思います。ただ、この素晴らしいレジェンドの技術を少しでも長く伝承し世界のモノづくりに貢献できるよう考え、動くことが阪神ネジの使命ではないかと思い実際に少しずつ動き出そうと考えています。

前後の記事

CONTACT お問い合わせ

お見積り・ご質問など
お気軽にお問い合わせください。